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流通業界、市場変化の臨界点(28)

2015年9月7日10:17

構造改革しか道がない農業に重ねる小売業

 最近、JR九州やイオンなど小売業を含めた異業種が、直接、農業生産に乗り出す事例が増えている。その理由の1つに、農業従事者の高齢化がある。このままいけば、農業は間違いなく危機的状況に追い込まれる。下手をすると、店頭に農産物が届かなくなるかもしれないのである。
 後継者が育たない最大の理由は、儲からない農業にある。

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 上は、昭和40年前後と直近の農家の手取り率を示したものだが、流通の近代化と効率化が生産者手取りを大きく減らしたという皮肉な結果になっている。アメリカの場合もほぼ同じ構造だが、農産物の店頭価格のうち、半分以上が流通と小売り手数料で占められているのである。

 スムーズかつ確実に消費者に届けるため、それが正しくないとは言えないが、生産者の納得とその生産意欲を考えると複雑である。その結果、農業従事者は大きく減少には歯止めがかからない状態が続いている。
 さらに昨今では、生産者が市場を通さずにより近いポジションで消費者に農産物を販売する例が増えている。いわゆる直売所と言われる方式である。この方式は、零細なものを含めると、全国で1万6,000カ所にもなると言われる。ここにも、大きな変革の芽が見て取れる。もちろんこれらの現象は、あながち農業に限ったことではない。

飽和とシフトチェンジ

 今、米国の小売大手は、従来型の商法を大きく変えようとしている。世界最大の小売業であるウォルマートや、ホームセンター最大手のホームデポなどが、大型リアル店舗の出店を以前に比べて極端に少なくし、代わりにネットを利用したサービスに今後の収益を依存しようという経営戦略に、大きな投資を実行している。アマゾンなどに代表されるインターネット販売意識を意識してのことである。従来型のリアル店舗に加えてのオムニチャネル化は、我が国にもやがて大きな影響を与えるはずである。

(つづく)
【神戸 彲】

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