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流通業界、市場変化の臨界点(23)

2015年8月21日11:11

業態間競争と差異化

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 上は、アメリカの業態別シェアの変化である。伝統型のスーパーマーケットがそのシェアを半分にする間に、新たな業態が大きくシェアを伸ばしている。これほど極端ではないが、アマゾンなどの通販やコンビニなどのシェア拡大に見られるように、我が国でも同じような傾向が顕著になっている。

問われているのは、異業態が新たに参入する市場競争をどう戦うかである。ここ四半世紀で見ると、我が国の大手小売業上位2社の売上規模は、当時に比べて4倍以上に拡大している。しかし、8位以下10位までの企業の伸びは10%に過ぎない。しかも当時の大手小売業のほとんどが市場から姿を消している。
その経過を見ると、現状改善ではなく、思い切った変化に挑戦しない限り、生き残っていけないことを示している。

成功の基本は人材力にある

 「企業は人なり」と言われる。そしてこの言葉はおそらく正しい。小売業の場合、最も求められる能力は、顧客に対する忠誠度を高く持つことができるということに尽きる。
とくに顧客は、購入する商品の小頻度に合わせて店を訪れる頻度も高いスーパーマーケット従業員との接点が多いだけに、接客の良し悪しが店の信用に直結する。そしてその信用は、業績に表れる。

 小売業を含む接客業には、常にある種のリスクが付きまとう。従業員の態度次第で店に対する印象が大きく違ってくるということである。お客のクレームで一番多いのが、従業員に対するものである。お客にとって、店は常に快適な空間でなければならない。しかしその創出、維持は容易ではない。経営者はどんな場合にお客が従業員に不満を抱くかを想定し、その発生を未然に防ごうと考えなければならない。
しかし、そこに思いを重ねる経営者は多くないし、たとえそれを持っていたとしても規模が大きくなるほど、その思いは現場に届かなくなる。

訪れる店舗に不満があるとき、それにクレームをつける顧客の割合は10%以下であるという調査結果がある。つまり、10人のうち9人は、我慢するか、その店から足が遠のくということである。
たとえば目的買いで来店したが、購入予定商品が品切れだったとする。次に出直したとき、また品切れ、さらに従業員の応対に問題があったという体験をした顧客の大半が、その店に行かなくなるということである。

(つづく)
【神戸 彲】

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