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流通業界、市場変化の臨界点(14)

2015年8月5日16:46

<経費構造による価格競争力とは~SMとドラッグストアの比較>

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 上のグラフは、生鮮食品が50%を超える複数のスーパーマーケット企業の、部門別平均人件費の割合である。
 構成を見ると、その多くを生鮮部門が占めている。事務や幹部職を除く販売現場で見れば、その割合は約75%。売上の生産に比べると、極めて高い。

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 上の表は、都心型のスーパーマーケットの平均値と、ディスカウントコスモスの数値比較である。これを見れば、その違いは一目瞭然、それは「航空機」と「戦艦」の違いに似ている。

 販売管理費の差が10%となれば、競合部分での価格差は詰めようがない。お客はその価格差を明らかに認識する。そして生鮮という高コスト部分を持つスーパーマーケットが、加工食品や日配品の価格をドラッグストアに合わせるのは、不可能である。このような状況を打開するには、コンベンショナル型からの脱皮しかないのは、言うまでもない。

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 上のグラフは、コスモスの部門別売上と利率の構成を示したものである。食品の構成比が50%を超しているが、その粗利益率を12%程度にしても、4%の経常利益が確保できる。
 一方、スーパーマーケットはその販売管理の構造からいって、日配、加工食品の粗利益率を20%以下にすることは極めて難しい。結果として、競合する日配、加工食品の価格で大きな差を付けられることになる。

 さらに見過ごしてはならないのは、お客から見たプライベートブランド(PB)のイメージポジションである。共同PBにしてもプライベートPBにしても、顧客の大半が「伝統的主婦」であるため、スーパーのPBはその冷たく厳しい目(?)にさらされる。

 一方、ドラッグストアの顧客の大半は、そこを手軽、快適、買いやすいと感じる若い顧客である。若者ほど新しい環境を簡単に受け入れることを考えれば、ドラッグストアのPBに大きな抵抗はないということになる。
 さらに、ナショナルブランド(NB)が安いということも店舗の信頼につながるため、その企業が提供するPBも、また支持を得やすいのである。

(つづく)
【神戸 彲】

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<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。現在は、流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を務める。

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