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流通業界、市場変化の臨界点(12)

2015年8月3日14:52

<SMのGMS化>

 シートは食品スーパー(SM)の年間坪当たり売上の推移である。生鮮部門の経費率が高いSMの場合、坪当たりの年間売上が300万円の半ばを割ると、収益は厳しくなる。とくに生鮮の構成比が高い企業にとって、単位面積当たりの売上の低下は致命的である。

 グラフを見てわかるように、平均的なSMの利益体質はこの7~8年来、急激に悪化してしまったと言うことができる。全国各地でスーパーマーケット企業の淘汰、再編が頻発している原因は、この収益構造の変化によるものである。

 そのスーパーマーケットだが、ライフスタイルと世代嗜好の変化で生鮮への付加価値が有力な武器とならない今後は、他業態の台頭とも相まって、消費者にとってその存在感はさらに希薄なものになりかねない。

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<売上が伸びないのはデフレのせいもある>

 ここで少し、デフレと業績の関係について考えてみたい。シート(USセンサスより作成)は、ここ20年来の日米の物価指数を比べたものである。アメリカの物価が毎年3~4%の上昇を見せているのに対し、我が国のそれはほとんど動いていない。もちろん、物価が安定していること自体が悪いことではないが、問題はその理由と、そのことがもたらす結果である。

 我が国の既存小売店舗の場合、物価上昇に加えて、全体の店舗数増加の影響もあって、前年を割り続けてきた。このような状況が続くと、当然のことながら店舗はその収益力を失う。
 その結果、従来型の大型小売業は、本業と言われるモノの売り買いでは利益が出ない体質が、固定化してしまっている。そして、GMSと言われる日本型大型店に始まったこの現象は、時間の経過とともに、今やスーパーマーケットにまでおよんでいる。

hikaku

(つづく)
【神戸 彲】

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<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。現在は、流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を務める。

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