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流通業界、市場変化の臨界点(7)

2015年7月27日15:19

<人の心がことを動かす(経営者の独立心と自尊)>

matinami 思い込みの強い自前主義より、連携企業それぞれの得意分野を共有し、それを触媒としてより広範な効果効率を追求することが大切――というのが、横山会長の考え方だ。
 連携で大きな効果を生むには、それぞれの強い信頼関係に基づいた権限と責任というところに、目を向ける必要がある。それによる新しい価値を創造(創発)する。
 「即・個・加(即効果)」――衆知を集めることですぐの効果が出るということを、横山会長はそう表現する。規模の効果に、連携の効果を加えるということである。

<エリアのシェアを高める>

 目指すのは、地域シェアの50%。そうなれば、あらゆる面で企業は強くなる。
 しかし一般的に見て、M&Aそのもので劇的な改善を創造するのが容易ではないことは、過去の合併事例が示している。企業には、それぞれの生い立ちと文化があるからだ。さらに、経営陣の思惑もこれに加わる。これらの問題を解決するには、企業が何を優先するかにかかってくる。

 企業にはまず、従業員の職場を正常な状態で確保する責任がある。従業員にはもともと、自分が働いてきた企業への小さくはない帰属意識がある。現場のすべては、従業員のレベルにかかっていることを忘れてはならない。ここに目を向けないと、重要な経営資産の1つである従業員の士気やロイヤルティーに問題が発生する。加えて、経営者の個人資産、経営幹部のメンツや統合後の処遇などの悩ましい問題も付きまとう。

 これらを考えながらも、連携を決めた以上は「自分を信じて全部を背負う」と横山会長は言う。もちろん、相手に訴えるべきはきちんと訴える。どんな人間でも、100%完全に先を見通すことはできない。そうである以上、ある程度自分が納得した時点で決断するしかない。
 多少の問題があっても自分を信じ、相手を信じて同じ船団を組み、より大きい相手に立ち向かうということである。

 強い個性の経営者が率いる地方企業同士のM&Aの成功は、お互いの信頼にかかっていると言っても過言ではない。横山会長は仲間の話をよく聞き、共鳴し、感動する。権力志向も極めて希薄である。そこには社員の暮らし、地域社会への貢献にこだわる強い意志が見て取れる。

(つづく)
【神戸 彲】

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<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。現在は、流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を務める。

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