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流通業界、市場変化の臨界点(4)

2015年7月22日15:46

<異業種の脅威>

yasai_syokuhin さらにスーパー業界に突き付けられるのは、異業種とのテリトリーを越えたせめぎ合いである。
 たとえば、セブン-イレブンの1,920店を始めとする九州のコンビニ店舗は5,250店。ドラッグストアも600店を超えている。これらの業態の食品売上比率は50~60%。コンビニ1店当たりの年商を2億円、ドラッグストアのそれを5億円と少なく見積もっても、コンビニの食品関連売上は6,000億円、ドラッグストアのそれは1,500億円。それぞれ27%と7%。九州の非生鮮食品市場額を2.2兆円とした場合、にわかには信じがたいことだが、全体の3分の1の市場がこの2業態に占拠されていることになる。
 つまり、従来型のスーパーマーケットは、新しい業態にその売上を簒奪されつつあるということである。

 このようななかで、さらに厳しさを増す今後の厳しい競争を勝ち抜くための条件と言われる商勢圏から見た売上は、年商5,000億円。この額を単独で確保できる企業は、今のところ見当たらない。年商5,000億規模の地場連合という協業に向かって、今後、どのような展開が待つのか興味深い。

 消費頻度の高い食品は、その性質上、高い粗利益率を確保するのは極めて難しい。実際、どの企業もその経営はおしなべて厳しく、スーパーマーケットとしての適性経常利益率と言われる3%を達成している企業はほとんどない。わかりやすく言えば、100円売り上げて、3円の利益を出すことすら、容易ではないということである。

 このような現状が次に何を招くのかは、想像に難くない。利益はあらゆる再生と更新の原資である。利益がなければ店舗を新しくすることもできないし、従業員にもやる気の出る労働条件を提供できない。企業はその存続と発展のために、いかに厳しい環境下にあろうが利益を出し続けるしかないということである。

 厳しい競争を勝ち抜く手法は、一般的に考えて2つしかない。1つは新たな市場を開拓することであり、もう1つは競争相手を倒すことである。しかしながら、この2つは簡単に実現できるものではない。
 そのようななかで考えられるのが、企業同士の提携である。九州でもこの10年来、多くの企業連携が生まれてきた。そしてこれからも、間違いなくその動きは加速する。しかし、企業の連携ですべての問題が解決するとは限らない。そこには、容易でない工夫と努力が要求されるのが必然である。

(つづく)
【神戸 彲】

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<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)
神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。現在は、流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を務める。

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