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坂本食品工業 木桶の乳酸菌がおいしい高菜漬けを生む

2015年7月15日11:07

<昔ながらの製法を守り続けて>

takana 1896年創業の坂本食品工業は、みやま市瀬高町にある高菜漬けの老舗だ。3代目の坂本昌徳代表は、今年79歳だが、年齢を感じさせない若々しさがある。「おいしい!」と言ってくれる消費者の言葉が、元気の源だという。

 同社の高菜漬け工場には、地中に埋め込まれた43の六尺桶が整然と並ぶ。酒蔵や醤油蔵から譲りうけた木桶は年代物で、なかには80年以上使われている物もある。地中に埋め込むことで桶内の温度が一定に保たれ、発酵が促進するという。「長年使い続けている木の桶には、たくさんの乳酸菌が住み付いています。それが漬物をおいしく発酵させるのです」と坂本社長は語る。

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 高菜の漬け込みは4月。農家から届く高菜は、多いときには1日に30トンにもなるという。そのすべてを、その日のうちに漬け込まなければならない。
 高菜は、桶の中に隙間ができないようひと株ずつ丁寧に置かれ、一段積み上がるごとに、ウコンを混ぜた塩が振りかけられる。この撒き方は絶妙な加減が必要となり、おいしい高菜をつくる決め手となる。
 桶に高菜を並べ終えたら、熟成を促すために1トンの重石(おもし)を置く。重石は、均等に圧力がかかるよう調整しながら慎重に置かれる。重石と塩の効果で、高菜からアクと水分が出てくる。すると重石のバランスが変わってしまうため、漬け始めて毎日3週間は重石の置き場所を調整しなければならない。そして待つこと4カ月から1年、独特な風味と酸味が広がるおいしい高菜漬けのでき上がりとなる。

<土づくりからこだわった高菜栽培>

坂本食品工業 坂本 昌徳 社長 瀬高町は筑後平野の南東に位置し、温暖な気候と肥沃な土壌が広がる穀物地帯だ。農家は米を収穫したあとの田んぼを畑に変え、秋から春にかけて高菜を栽培する。瀬高地区の高菜は「三池高菜」という歯ごたえの良い大きな品種。中国渡来の高菜と在来種の紫高菜を交配させて生み出された。
 同社で使う高菜は、地元の契約農家で採れたものだけを使用。「戦後、化学肥料の大量投入によって、高菜がダメになりました。高菜の良し悪しは、漬物にするとよくわかります。大きく太らせようと化学肥料をたくさん使った高菜は漬物にすると芯が黒くなります。そして発酵せずに溶けて無くなってしまうのです。今は農家さんと契約して有機栽培の高菜をつくってもらっています」と坂本社長。若手農家に良質な高菜を作ってもらうよう坂本代表自ら土づくりの指導もしている。鶏糞にもみ殻、骨粉を用いて3年以上寝かした完熟堆肥を使用すると、根がしっかりと伸びた丈夫な高菜ができるという。

 今年立ち上げた同社のHPには、高菜漬けを使ったレシピが満載。チャーハンやラーメンなど定番以外にも、いつもの料理にひと工夫できる高菜漬けは、常備しておきたいひと品だ。HP以外に、『道の駅みやま がまだしもん』や同社の工場で販売されている。瀬高を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみたい。

【村重 珠実】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:坂本 昌徳
所在地:福岡県みやま市瀬高町大草1107-8
TEL:0944-63-7567
FAX:0944-63-5551
URL:http://takanakoubou.com/

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