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日本マクドナルドホールディングス(株) 2年間で1,200億円の減収予想、期限切れ肉の影響計り知れず

2015年4月20日14:10

mcdonald 日本マクドナルドホールディングス(株)は16日、2015年12月期通期予想での全店売上高が3,820億円になったことを発表した。本決算は9カ月後であるが、14年12月期の同4,463億円から643億円も減収となる厳しい見通しを立てた。13年12月期に同5,044億5,900万円、当期純利益51億円を計上した同社。しかし、昨年7月に発生した中国の食品会社での期限切れ鶏肉問題を皮切りに相次いだ異物混入報道で信用不安を招いたことにより、14年12月期決算で同4,463億円と前年比で581億円の減収となっている。
 今回の業績予想の発表で、長期的な成長が見込めない131店舗を年内に閉店することも下方修正した背景にはあるが、もし、同社が想定した数字となるならば、2年間で1,200億円の減収となる。期限切れ鶏肉問題が尾を引いているのならば、その代償はあまりにも大きすぎる。
 同社は131店舗を閉鎖し、今期はフードコートやモールにある約500店舗の改装を計画。今後4年間で約2,000店舗を改装し、現在25%のモダンな店舗の割合を90%にするとしている。また、地域や店舗に根ざした経営を行うほか、より幅広い選択肢からお好みのメニューを選ぶことができるセットメニューのメカニズムを導入、ハッピーセット用の新メニューの導入などの改革案を発表した。

<“無料券配布”、“値引き”だけが信用回復の手段か?>

 昨年7月に鶏肉問題が発生して以降は、業績にも現れているが、マクドナルドから客足が遠退いている。問題発生からしばらく経って、同社はチキンナゲットの無料券の配布などの手を打った。その後は、コーヒー無料券などの配布をはじめ、レシート裏にも割引クーポンが印字されるなどの過剰な無料券の配布と割引クーポンが目立つ。かつて20年ほど前は、80円バーガーを筆頭に低価格のファーストフード店としてのイメージが強かった。現在は当時よりも客単価も上がっているが、商品の無料券や割引クーポンが目立つことで、そのことに対するありがたみが失せてしまうといった意見もある。

 価格面でのお得感を訴求することだけが信用回復への手段なのか?地域色を活かし、商品の質を限りなく上げることなど、責任の取り方は多々あると思う。たとえば極端な話、「すべて国産素材なので価格は3倍になりました」というやり方。ハンバーガーの1個あたりの単価が300円~400円になったと仮定する。食べてみた感想が美味しければ良い。「この味で300円か!マクドナルドだからこれだけの素材をここまで安くできるのか!」と思わせれば勝ちだ。業種は違うが、同じ外食企業の長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」は、野菜を国産化したことで業績を大きく改善している。運営会社の(株)リンガーハットの2015年2月期連結決算は、売上高が前年同期比で3.9%増の381億5,500万円、当期純利益は同比35.8%増の9億6,000万円となった。マクドナルドは以前より商品価格が上がったとはいえど、低価格で外国産のイメージが強いだけに、抜本的に考え方を変えない限り、負の連鎖から抜け出せないことが予想される。

 マクドナルドは世界各国に法人と店舗、生産工場を有することから、安定的かつ低価格な商品を提供できる、誰もが知る巨大企業である。スケールメリットという点では、日本の同業者が太刀打ちできるはずがない。さらにテレビCMを含めた自社プロモーションは抜きん出ている。ならば無料券配布、値引きといった考えからから一旦離れるべきではなかろうか。

【矢野 寛之】

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