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(株)セブン&アイホールディングス もし、イトーヨーカドーが出店すれば九州はどうなる?(後)

2015年4月20日13:29

<「一人勝ち」それとも「呼び水に」なるか>

セブンイレブンの店舗 「イトーヨーカドー」を展開する(株)イトーヨーカ堂は2015年2月期の営業収益が1兆2,859億4,200万円。前期よりも0.2%減益となったが、売上規模はイオンリテールに次ぐ。1兆円を割り込んだダイエー、売上高非公表の西友よりも高いとみられる。
 同社の期末店舗数は181店舗。単純に営業収益を店舗数で割れば、1店舗あたり約71億円。もし、出店する場合は、イトーヨーカドーのスーパー単体でなく、今回、手を上げているセブン&アイホールディングス子会社のモール・エスシー開発が手がける商業施設「アリオ」となるのは、ほぼ確実。仮に年間300億円~400億円(イトーヨーカドーの売上高含む)の売上を計上するならば、国道3号線沿いでほど近い場所に位置するイズミのゆめタウン博多(推定売上:170~200億円)にとっては、脅威な存在となる。
 通常、競合店が出店する場合、すでに周辺で出店している競合店は何パーセントか一時的に売上の落ち込みを想定するものだ。「とくにディスカウントストアが出店すれば、一時的に客を奪われる傾向がある」(業界関係者)。イトーヨーカドーが仮に出店した場合、周辺スーパーおよびGMSに与える影響は未知数ではあるものの、多少なりとも影響はあるだろう。

 そのようななか、九州のとある地区では大手スーパーが進出したことで、それが呼び水になり、隣接スーパーの売上高が伸びているケースもある。脅威となるのではなく、共に活気付くという稀なケースである。限られた商圏人口のなかでのパイの奪い合いとなれば、どこかが売上減に苦しむわけだが、一人勝ちではなく呼び水となってさらに需要の掘り起こしにつながれば、それに越したことはない。

 いずれにせよ入札さえ始まっていない状況で、出店したことを想定しても始まらないのだが、セブン&アイホールディングスのなかでコンビニ業態のセブン-イレブンが浸透している地域において、スーパーマーケットのイトーヨーカドーが出店するのは意義がある。セブン-イレブンが今、力を入れているプライベートブランド商品のセブンプレミアムのチルド惣菜、日配食品などは、スーパーマーケットで取り扱われている商品と同じ、という認識を消費者に植え付けることができるからだ。コンビニだけでなくスーパーでも買えるというのは、さまざまな点においてプラス作用に働く。出店のメリットは多いにある。
もし、今回の九大跡地での出店が実現しなくても、九州のどこかで出店する計画があるのか、同社の今後の動向に注目したいところだ。

(了)
【矢野 寛之】

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