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(株)県民百貨店 熊本の県民百貨店、惜しまれつつ閉店へ

2015年3月2日11:22

県民百貨店 2月28日、熊本市桜町の県民百貨店が42年間続いた営業を終え閉店した。最終日となった28日には、開店前から約500人が並び、開店時間には運営会社である(株)県民百貨店の松本烝治社長自ら正面出入り口に立ち、訪れたお客を出迎えた。来客数は当初の予想を大きく超え、約5万人が訪れる大盛況だった。午後を回るとさらに人は増え、同百貨店にテナントとして入っていた太平燕(タイピーエン)」発祥の店として知られる「中華園」へもお客が押し寄せ、予定を大幅に繰り上げた午後1時半過ぎに同百貨店より一足早く幕を下ろした。午後4時を過ぎた頃には、食品の陳列棚を中心に売り切れが目立ち始めたものの、1階をはじめとする雑貨や衣料品売り場の人だかりは閉店まで衰えなかった。

 県民に42年という長い年月親しまれてきた同百貨店。8階では「県民百貨店42年展」が開催され、お客は42年の歴史が記されたパネルを前に感慨深い様子で足を止めていた。同百貨店へのメッセージを投函できるボックスの前では、何度も手を止めながら想いを綴るお客の姿が見られた。常連客の80代女性は、「悲しいときも苦しいときも足を運んだ。どんなときも『来て良かった』と思えるお店だった」と語り、「私はここ(県民百貨店)だけ。なくなったらどうしていいかわからない」と涙を滲ませた。

挨拶をする松本烝治社長 午後6時の閉店時間が訪れ、店内に蛍の光が流れ出したが、別れを惜しむ客の足はなかなか進まず、お客全員が店を出た頃には午後6時40分を回っていた。従業員は正面出入り口に整列し、訪れたお客に深々と頭を下げていた。お見送りする従業員とお客が固く握手を交わす場面もあり、ハンカチで目元を押さえながら店を後にするお客も少なくなかった。閉店の瞬間を見届けようと雨の振るなか200名ほどのお客や報道陣がつめかけたほか、熊本県PRマスコットキャラクターである「くまモン」も駆けつけた。

 松本社長の挨拶が始まると、聴衆から拍手が送られたり、「今まであたたかく包んでくれてありがとう!」との声が上がったりするなどし、雨にもかかわらず、あたりは熱気に包まれていた。松本社長は同百貨店の建て壊しに触れると涙で声を詰まらせたが、「県民のみなさまに愛され親しまれて、日本一幸せな百貨店でした」と深く頭を垂れた。

 県民に愛され続けた百貨店は、42年という長い歴史に幕を下ろした。3月末には熊本交通センター地下のセンタープラザが全店閉店、夏には同百貨店の解体など寂しいニュースが続く。同百貨店跡地にはMICE施設を中心に商業施設なども建設される予定だが、しばらくは物寂しい状況が続きそうだ。

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