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カカオ研究所 さかえ屋元社長夫妻がチョコ専門店(後)

2015年1月20日09:30

<カカオ豆からチョコを作る数少ないお店へ>

カカオ研究所 その頃、中野氏は常々「家に閉じこもって一生を終えるのか」と考えていたようだ。だが、それを心配した担当弁護士の一言が、中野氏を後押しした。「このままではいかんです。中野さん、何か始めましょうよ」。

 その後、中野氏は、もう一度会社を起こすことを決意。妻の富美子氏の後押しもあり、2014年4月、富美子氏を社長として、地域の農産物を通販する目的で同地に(株)八木山高原を設立した。
 その後、関東地方に販路を作る目的で東京に立ち寄った際、夫婦で訪れた一軒のチョコレート専門店で口にしたチョコレートがとても美味しかった。店主に話を聞くと、カカオ豆から焙煎し、砂糖のみで仕上げる話を聞き、その志と味に感動したという。最初は「気分転換になれば」との軽い気持ちから、チョコレート製造を始めた。

 会社設立時に、過去の経験から利美氏は「もう、菓子関係の仕事はやらない」と心に誓っていたが、作るにつれて、その奥深さを知ることになり、面白くなった。気がつけば「世界に1つしかないこだわりのチョコレートで、みんなに喜んでもらう」という新たな目標ができた。こうして、当初の農産物の通販から、チョコレート専門店へとシフトする。元菓子屋社長の心のなかでくすぶっていた根っからの菓子好きの開発心が、一気に再燃してきた。

 現在、利美氏はチョコレート製造を中心とした研究に没頭している。「チョコレートは温度調整が難しい。カカオは油が多いため、火の加減次第で味が大きく変わる」(利美氏)。日本では近年、ケーキ職人のパティシエ、チョコ菓子などを作るチョコレート職人のショコラティエなどをよく耳にするが、カカオ豆からチョコレートを作る職人はとても少ない。設備をそろえるのにコストがかかりすぎるほか、1つの商品を作り上げるのに最低4日間も費やさなければならず、手間隙がかかることも要因かもしれない。大手企業においては採算が合わないため、カカオ豆からチョコレートを製造する企業は少ないと言われる。「ただ、誰もやれてないことに挑戦することはとても興味が湧きます」と利美氏は語る。
 時間をかけて丁寧に仕事をする。得られる利益は少ないもののやりがいはある。「今までは経営者として、いろいろな束縛の下、仕事をしていたが、今はやりたいことがやれる」と、現在ののびのびと好きな仕事ができる現状を楽しんでいる。仲間たちは中野氏の再出発というより、何かを始めることができたことを心から祝福している。

 コーヒーには利き豆があるが、将来的にはチョコレートも利き豆により「自分だけのオリジナル商品を世に提供できれば」と考える。店舗は木製の移動販売車となっており、イベント会場やスーパーマーケット、その他施設に出張も可能という。興味がある人は、問い合わせしてみてほしい。

(了)
【矢野 寛之】

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<お問い合わせ先>
カカオ研究所
URL:http://cacaoken.com/

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