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流通究極進化 「目的買いと衝動買い」(2)

2014年10月2日10:48

<九州の事情>

supermarket (1) GMS(総合スーパー)を含む全国のスーパーマーケットチェーン小売業は約1,000社、店舗数は2万店余りと言われているが、全国の1割経済圏と言われる九州のスーパーマーケットチェーン企業数は約90社(売上規模10億円以上なら138社)、店舗数で2,500店前後と、その競合は厳しい。しかも、農水を中心とする第1次産業の生産は約20%と消費経済規模値を大きく上回り、市場には全国的な価格より、安い価格で商品が出回るという環境がある。

 加えて、1人当たりの年間平均所得も230万円余りで、全国平均の85%でしかない。これらの条件は当然、厳しい価格競争を産む。
 1,300万人余りの人口に対して、店舗数が2,000ということは、店舗当たりの人口が6,500人程度ということになる。世帯数に直せば、1,700世帯を切っているということである。  世帯当たりの食費支出を年間65万円として1店舗当たり平均年商に直すと、11億円余り。異業態に流れる支出を考慮すれば、すでに売場面積300~400坪レベルの店舗の損益分岐売上の限界値を越えている。

 さらに今後、生鮮というコスト的重装備を省き、ローコストで進出するディスカウントドラッグやSM(食品スーパー)機能や複合サービスを備えたコンビニの増加が、この競争をさらに厳しくしていくことは容易に予測できる。

<これからの消費市場>

 少子、高齢化の問題は、一般的に言われるマイナスに加えて、さらに別な側面も持っている。それは、生産年齢人口が増えないなかで、毎年70万人前後の年金受給者が増え続けるということである。500万円余りの世帯年収が、一挙に200万円を切るまでに低下するのである。いきなり低下する収入への不安は、現実にそれを手にしたところでリアルになる。

 さらに65歳以上の医療費は、それ以下の年齢に比べて比較にならないほど高い。高齢による食品消費量の低下、老後不安による支出抑制。さらに消費税の問題もある。これらの抑制条件は言うまでもなく、地方により顕著に表れる。これらの影響による食品市場の縮小は、少なく見積もっても全国で年間約3,000億円、九州では300億円。毎年、市場の1%弱が自然減ということになる。

 この厳しい環境を考えると、何ら特徴のない小売業は近い将来、間違いなく存亡レベルまでその収益性を低下させる。

(つづく)
【神戸 彲】

<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。現在は、流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を務める。

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