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幕を切った九州流通再編(4)

2014年10月9日10:38

「業者の整理淘汰は避けられず」

 M&.A(合併・買収)が活発になってきた背景には、中堅中小スーパーを取り巻く環境が厳しさを増していることがある。

 小規模なため目立たないが、データ・マックスの調べによると九州では今年1月から6月まで、ホームセンターを含め6件の経営破綻がこれまでに起きている。ディスカウントストアの(株)デイ&デイ(大分県)、(株)近松ストアー(佐賀県)、(株)スーパーナイン(熊本県)、(株)大宮(長崎県)、(株)ことぶきや(鹿児島県)、ホームセンターの(株)五島で、負債総額は五島を除くと10億円未満と小粒。これら以外に事業撤退が1件と営業譲渡が2件ある。1年足らずの間に計9社が市場から退出したことになる(広栄は含まない)。

cart 1月下旬自己破産した近松ストアーは戦前に創業した老舗で、最盛期には30億円近い売上を誇り、県内では大手の一角を担っていた。近年は競争激化で赤字経営に陥っており、税率引き上げを前に経営を断念した。
 税率引き上げ前の3月下旬、事業撤退した(有)小田センターは主力店の福間店が道路拡幅工事にひっかかり保証金が入るのを機にもう1店の久山店とともに閉鎖を決断した。
 6月には筑後地区で小型DS(ディスカウントストア)を展開していた(有)ゆうゆうがマミーズに4店を営業譲渡した。ゆうゆうは最盛期の09年には5店で25億5,000万円を売り上げていたが、同業DSの進出で近年は苦戦が続いていた。マミーズは同じ筑後地区が地盤で物流や管理部門を共通化できることから支援に応じた。
 さらに8月には佐賀県で食品スーパー2店を運営するニコーがフードウエイに営業譲渡し、スーパーから撤退した。

 増税後の消費環境は厳しい。円安による物価の上昇やガソリン、電気代などの高騰も加わって消費者の生活防衛志向が一段と強まっている。
 消費需要の低迷が長期化するなか、業者の整理淘汰と再編は避けられない見通しだ。

 イオンとイズミはこれを機に、経営難の地方スーパーの囲い込みを進める構えを見せている。流通再編を主導するのが九州2強になることが鮮明になってきた。「買収できる力があるにはこの2社と流通事業拡大に意欲的な西日本鉄道を加えた3社くらい」(卸首脳)なのが実情だ。

 イオンは傘下に収めたダイエーの842億円とレッドキャベツの308億円を加えると、グループ4社で九州内での売上高は5,031億円と5,000億円を超す。
 7月に大分市で記者会見したイオンの岡田元也社長は「首都圏など他地域に比べ九州は寡占化が遅れており、当社にとって伸び代は大きい」と話しM&Aを活用して売上拡大を図る方針を表明。具体化の第一弾がレッドキャベツだった。

 イオンを追撃するイズミの九州内での売上高は、連結対象外のスーパー大栄を含めると2,412億円(ゆめタウンの一部テナントを含む)。売上はイオンに大きく遅れを取っている。同社の山西泰明社長は7月中旬、広栄の買収記者会見に出席し、M&Aに意欲を表明した。通常なら上場企業のトップが出席するほどの規模でない会社の買収発表にわざわざ足を運んだのは、いつでもM&Aに対し門戸を開いているとのメッセージだったのかもしれない。

(了)

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